「信用」とは何か
クレジットカードはクレジットカード会社が支払いを立て替え、支払い先をクレジット会社にすり替えるものです。それは買い物の度にその店舗で与信を受けなくてもいいという利便性を持っています。クレジット会社はその利用者に対してすでに与信済であり、日頃からそのカードを使用しているのであれば、すでに継続的な「支払い」を受けているということが多いです。ですから、各買い物への支払いを立て替えることも可能なわけです。そうすることで、いちいち購入の度に信用調査を行う必要がないのです。
それでは、クレジットカード会社に対する「信用」とは何かというと、シンプルなもので「支払い能力」そのものになります。すでに継続的に支払いを続けている人に対してもですが、「本当に立て替えた分を支払ってくれるのか」ということがクレジット会社の生命線です。クレジット会社はその支払いを立て替えることによって、「手数料」のような意味合いで「利息」をとります。その利息分こそがクレジットカード会社の利益なのです。ですから、利用者の支払い能力常に評価し、気にしている点になります。
クレジットカードは、作りたての場合、特になんの金融利用実績もないようなユーザーである場合は「限度額」が低めに見積もられていることが多いです。定職についていて一定の収入があるようだが、その実金遣いが荒いのではないか。いきなり大きな限度額を設定してしまうと支払うことができないのではないか。踏み倒して逃げるのではないか。・・・と疑うことが信用調査です。意味合いとしてはシンプルですが、その中身、判断材料は実に多岐にわたります。そのロジックは一般ユーザーにはわからないようにもなっています。その判断指標が一般に漏れてしまうと、「とりあえず与信を通して踏み倒そう」という悪質な利用者があらわれかねないからです。
20代前半から半ば、就業して数年であれば、最初に設定されるカードのりよう限度額は20万円前後だと考えてもよいでしょう。そして、そのカードを利用していくうちに、返済を続けていくうちに、「この人は返済能力がしっかりとある」という判断に至れば、その都度限度額が引き上げられていくのです。それは「実際に関わってみないと、利用してもらわないと本当に払ってくれるかどうかわからないな」という観点も込められています。
「信用」にはその利用者の「人間性」も含まれます。収入はあったとしても、浪費家であれば返済に回す原資が枯渇してしまい、滞るかもしれない。何か大きなローンを抱えているかもしれない。あるいは通常の金融データバンクには記録が残らないようなサラ金を利用しているかもしれない。それは実際に払ってみてもらうまではわからないものなのです。また、クレジットカードの借入上限は年収の3文の一程度が目安です。あまりにも年収が低い方に対して、何百万円もの限度額を付与することは大きなリスクでもあり、その利用者の生活を揺るがす事態にもなりかねないからです。
そのような様々な観点で判断されるのが「与信」です。つまり「信用している」ということを「与える」わけです。どのような信販もこの与信なしでは成立しませんし、与信を行うためには相応の手間がかかります。信販とは、供給側から見ればそれほどまでにリスキーなものなのです。