クレジットカードの限度額とは

とても便利に、さまざまなシーンで多岐にわたって利用することができるクレジットカードですが、原理は「信販」であり、クレジットカード会社が各購入先に「立て替えて支払っている」ということを忘れてはいけません。一時的に金銭を「借りている」という状態になります。当然、「1回払い」にすれば規定の引き落とし日に完済することになるのですが、それでも確実に一時的に借り受けることにはなります。
クレジットカード会社は各利用者に対して「この額までは使っても良いですよ」という「限度額」を設定しています。それはその人の支払い実績などで拡大していくこともあります。信販とは相手を「信用して取引する」ということです。クレジットカード会社はさまざまな要因や条件から各利用者の「信用」をみきわめています。その結果が、「限度額」に現れるのです。
クレジットカードを作りたての頃は、人によっては限度額が20万円からスタートする人もいるでしょう。それは仕事についていて、すでに複数年勤務していても同じようなスタートになるかもしれません。他のローンでの利用実績やそのクレジットカード会社での利用実績がなければ、その人の信用は「未知数」という扱いになります。ですから、とりあえず当座返済可能な額にしておこう、ということになります。
そのように少額の限度額からスタートした場合でも、利用実績を重ねていけばやがて100万円ほどにはなると思われます。クレジットカード会社としては、沢山カードを利用して欲しいのです。そうしなければ、手数料や金利で収益を上げられないからです。クレジットカード会社は、利用者を数多く確保して取引金額を最大化することが「事業」です。そのためには一人でも多くの「信用できる」利用者を確保する必要があるのです。
「信用がおける利用者」とは 、「滞納しない利用者」です。支払いを滞納されることがクレジットカード会社にとってもっとも恐れる事態です。何故ならば、その利用分はすでにクレジットカード会社から購入先に支払っているからです。回収出来ない分は純粋に「焦げ付き」となります。もっとシンプルにいえば、「建て替え損」というわけです。
人の「返済能力」は限られたものです。それは収入が限られているからです。そして、収入のすべてを返済に回せるわけでもありません。収入の中から家賃や食費、衣服代や光熱費、家族を養っている場合はその分もまかなわなければいけません。それらの残金から貯蓄をしたり返済をしなければいけないのです。ですから、クレジットカードの限度額はせいぜい「年収の三分の一」です。それ以上は、クレジットカード会社も限度額を設定しないことが多いでしょう。

利用者側も、いつかは払わないといけないお金なのですから、「限度額が大きいと使えるお金が増える」などという勘違いを起こさないようにしたいものです。クレジットカードで可能なことは返済額の「バランスを整えること」くらいです。利用した分はもちろんのこと、それに利息がつくということを忘れてはいけません。問題は「限度額の大小」ではないのです。自身の経済状態に見合った利用を心がけない限り、金銭的な悩みが長くつきまとうことになるでしょう。ご利用は計画的に行うようにしたいものです。