複数カードを持ってもOK?

複数のクレジットカードを持つこと自体は、特に問題ありません。クレジットカード会社に申しこみ、与信が通れば作ることができます。定職についていて、一定収入があり、これまでの信販での利用実績が特に問題のないものであれば、難なく新しいクレジットカードを作ることができるでしょう。新しいクレジットカードを作成するときは、現在の信販の利用状況も申告することになります。その際に、すでに使用しているカードの利用残高なども申告することになります。

クレジットカードにもさまざまありますから、複数のカードを利用した方が「お得」になるケースもたくさんあります。例えばJRのSuicaと連動できるビュー・スイカカードなどは、いちいちSuicaへのチャージをしなくてもよくなっています。一定額を下回ると、自動でチャージしてくれるのです。電車で移動することが多い「営業マン」であれば、とても便利に感じる機能ではないでしょうか。そして、業務上の利用で、会社からの精算が可能であっても、ポイントがつく分、お得になります。また、ネットショッピングを頻繁に利用する方などは楽天カードのようなカード、車に乗ることが多い方はガソリンがお得になるカードなど、その利用スタイルによって最善のカードは変わってくるのです。

ですから、複数のカードを持つということ自体は自然な流れです。それぞれのカードを用途ごとに使い分けるということは、賢い選択といえます。管理が少し煩雑になってしまいますが、それでも「リターン」の方が大きいのであればいいのではないでしょうか。

ただ、複数のカードを持たない方がいい場合もあります。それは「今のカードが限度額ギリギリだから」という理由です。そのような状態で新たなクレジットカードをつくってしまうことは避けたほうがいいでしょう。限度額ギリギリになるということは、クレジットカードの利用が頻繁にあり、さらにリボルビングなどでかなりの額を繰り越しているということだと思います。

要するに「手持ち金」が足りないため、クレジットカードで支払いを先送りにしているという方です。あるいは、「浪費家」である方です。そのような方には、「新しいカード」を作ることはおすすめできません。なぜなら、新しいクレジットカードでもほどなくして同様の状態になることが明白だからです。

「もっとたくさんカードを使いたいから」という方は、まずは現在のクレジットカードの「返済」が先です。そうしなければ、新しいカードと現在のカードでの二重支払いになり、月々の負担は今の倍になります。そもそも、クレジットカードを使用してもしはらっていれば限度額はその分減るはずです。経済的な理由で「二枚目のカード」という考えをもっているのであれば、それは全くの逆効果です。クレジットカードは支払いをコントロールできる便利なアイテムですが、支払わなければいけない金額は減りません。むしろ、金利分だけ増えるのです。

利用スタイルによっては、「二枚目のクレジットカードは持たないほうがいい」という状況も考えられるのです。契約し、つくることも事実上可能ですが、今あるカードの返済を最優先にした方がいいのではないでしょうか。