電子コンテンツの支払いにも便利

情報端末、つまりコンピューターや携帯電話、スマートフォンの発達により、「コンテンツ」の楽しみ方も変わってきました。どういうことかというと、例えば「音楽」を例にあげて考えてみましょう。「記録された音楽を買う」という行為は、レコードの販売に端を発しています。記録された「媒体」であるレコードを購入することで、収録された音楽がいつでも楽しめるようになったのです。そしてレコードはテープやCDなどに姿を変え、記録メディアが変わっても音楽ソフト販売の本質は変わりませんでした。

ですが、記録メディアの主流がCDに変わったあたりで、状況が少しずつ変わり始めます。レコードやテープの情報というのは「劣化」します。いわゆるアナログな方式で媒体に記録されているので、どうしても再生機器との「物理的な接触」が避けられません。ですから、そのメディアを再生する過程でどうしても音質が劣化してしまっていたのです。ですが、「CD」は違いました。

CDは「デジタルメディア」です。CDという媒体自体は経年劣化や使用する際の取り扱いなどで傷がついたりしてしまうこともありますが、基本的には中に入っているのは音楽のデータです。それは100パーセント「コピー」ができるもので、データ自体は劣化しません。データが劣化しないということは、いつまでも同じ音質で繰り返し再生できるということです。CDという「メディア」は物理的なものですが、中に収録されているのは何回再生しても劣化しないデジタルデータになったのです。

CDが登場してから10年ほどは、そのCDの中のデータを抜き出そうとか、そのような試みはあまり一般的ではありませんでした。ですが、インターネットのインフラ構築とともにその通信の母体となる情報端末は急激に進化していきました。今世紀に差し掛かったあたりでは「パソコン」はもはやだれでも使える一般的なものになり、仕事でもプライベートでも欠かせないツールになっていました。

そして、処理能力の急激な進化により、「CDの中のデータをパソコンに取り込んで再生する」という事が一般化したのです。もともとデジタルデータとして収録されていた音楽データを、そのまま抜き出して参照することができるようになりました。そうなると、CDではなくて「データだけ」購入したくなります。

そのような流れは音楽だけではなく、さまざまな「記録物」で発生しました。映画などの映像記録物も同じですし、本なども電子書籍として売買されるようになったのです。

「モノ」ではなく、データだけを購入する。

これは一般的な通信販売とは一線を隠しています。なぜなら、「在庫」には質量がなく、データであるためいくらでもライブラリーから配信できるからです。このようなデータ販売は決済後即、端末にダウンロードされ、すぐに楽しむことが可能になります。

そのためにはシームレスな決済が必要です。代引はありえません。そして振り込みも現実的ではありません。そこで、クレジットカードを用いて決済することは自然な流れでした。それにより、決済自体が人の手を介さず、完全自動化することができるようになったのです。これにより、いつでもそのコンテンツをオンラインで購入することができるようになりました。

現在の便利なダウンロード販売は、クレジットカード無しでは成り立たないものなのです。